治療や薬の公定価格である診療報酬の06年度改定の中身が15日決まった。中央社会保険医療協議会(中医協)が川崎厚生労働相に答申した。改定は身近な医療にも影響が及ぶ。4月からどう変わるのか――。
患者にとって一番身近な影響は診療所の初・再診料の引き下げ。医療機関には収入減になるが、患者の窓口負担は軽くなる。今の初診料は、診療所は外来、病院は入院や救急という役割分担を目指し、病院(20床以上)より診療所(19床以下)が高いが、かえって外来患者が病院に流れるなど効果がないため統一して2700円(患者負担は3割)にする。
入院では、長期入院のための「療養病床」の基本料が変わる。看護師数などで決まっていたが、患者の医療の必要度で分ける。必要度が低い患者が多いと病院の収入が減るため、退院させて介護施設や在宅療養に移す動きが加速しそうだ。医療機関に周知後、7月から実施する。
新薬と同じ有効成分で価格が安い後発品は使いやすくなりそうだ。医師が書く処方箋(せん)の様式を変え、変更できることを示す欄をつくる。医師がサインすれば、新薬名で処方されても患者は薬局で後発品を購入できる。
心臓の脳死移植にも保険が適用され、「普通の医療」になる。半年間入院した場合、手術料や入院料などで約310万円かかっている患者負担が、改定後は一定額以上払った場合に還付される「高額療養費制度」も適用され約53万円で済むようになる。
2006年02月15日 asahi.com